土地家屋調査士試験における択一問題では曖昧な知識では対応できなくなってきている

毎年多肢択一問題の形式が少しづつ多様化し、曖昧な知識では解答が難しくなっていきています。
例年奇問が1~2問は出題されることもあり、やや実験的かなとも考えられる問題もあります。
しかし、こういった奇問や初めて出題される形式の問題は、絶対に解答できないかといえば、そうではなく、逆に正確に知識の定着を行った受験生が冷静に対応すればラッキー問題といったこともあります。

平成29年度における注意すべき多肢択一問題

上記の事を踏まえて平成29年度の多肢択一問題を考察してみると、少し注意すべき問題があります。
平成29年度 第4問です。

平成29年度 第4問

次の〔文章〕中の(①)から(⑦)までの空欄に後記の〔語句群〕の中から適切な語句を選んで入れると、不動産登記に関する文章となる。(②)、(③)、(⑤)及び(⑦)の空欄に入れるべき語句の組合せとして最も適切なものは、後記1から5までのうち、どれか。
ただし、文章中の【A】及び【B】には適当な語句が入るものとし、同一の数字又は記号には同一の語句が入り、異なる数字又は記号には同一の語句は入らないものとする。

〔文章〕
不動産登記法は、不動産の【A】及び不動産に関する【B】を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。
【A】に関する登記は、登記の対象となる不動産の(①)を公示し、当該不動産を特定することを目的としており、【B】に関する登記は、当該不動産の(②)を公示することを目的としている。
【A】に関する登記と【B】に関する登記は、登記簿に、(③)を一筆の土地又は一個の(④)ごとに(⑤)に区分して、登記記録として記録することにより行う。
民法では、土地及びその(⑥)は不動産とすると規定しているが、不動産登記法では、土地又は(④)を不動産と定義している。
さらに、不動産登記規則は、登記の対象となる(④)は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする(⑦)に供し得る状態にあるものでなければならないとしている。

〔語句群〕
登記情報、権利関係、登記事項、不動産番号、物理的状況、表題部と権利部、甲区と乙区、種類、用途、定着物、建物、従物

解答

⇒平成29年度多肢択一問題

「この形式の問題なら過去問で見た事がある」と思った受験生もいると思います。
語句群より解答語句選ぶ穴埋め問題です。
単純な多肢択一問題より、より正確な知識が必要になってきます。

こういった語句群を使った多肢択一問題は過去にも幾度か出題された事はあります。
しかし、平成29年度の場合、注意すべき事がもっと深い所にあります。

多肢択一問題を使い記述させている

問題文を見てみると「文章中の【A】及び【B】には適当な語句が入るものとし…」という文章があります。
しかし、解答は(②)(③)(⑤)(⑦)の語句を選ぶというもので、直接【A】と【B】に関しては触れられていません。
だからといって【A】と【B】を無視していいかというとそうでは無く、間接的にではありますが、解答択肢を選ぶ場合に大いに関係してきます。

つまり、語句群にはない語句(【A】と【B】)を受験生に解答させている事が前提で、この問題を解答させています。

【A】に入る語句
【B】に入る語句

問題文、語句群、解答択肢のなかに一切触れられていない語句を受験生は解答しなければいけません。

これは、多肢択一問題の中に記述問題が含まれているという事なのです。
平成29年度で問われたこの「隠れた記述」は基本的な事だったので、安易に解答できた受験生も多いと思います。

しかし今後は、多肢択一問題の中で問われる「隠れた記述」がより専門的な語句や考えを問う可能性があります。
現に、書式問題で問われている記述形式の問題がそうだったからです。

書式問題での記述は最初は基本的な穴埋め語句記述から始まり、近年では、知識を自分の言葉を使い解答していく形式に変化しています。

上記のような事を聞いたらビビってしまう受験生もいるかもしれませんが、大丈夫です。
難化されたと言われる近年の書式の記述にしても、問われている事は過去の登記例がないような難解なものではありません。

基本的な考えや、それらを幾つか組み合わせたものが問われているだけなので、インプットの勉強を行い、自分の言葉でそれらが言えれる力を持っていれば、試験の本質は何ら変わっていません。

今後も多肢択一問題は形を変えながらもより曖昧な知識を排除していく形式になっていく事は間違いないので、過去問と同レベルの問題が出るとは思うようなや思考や勉強法は捨てて下さい。

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