多肢択一問題の攻略

土地家屋調査士試験の多肢択一問題〔午後の部〕では毎年20問出題されます。
この多肢択一問題には問題の構成順序や幾つかの問題パターンがあり、これをあらかじめ知っておく事で対策も取りやすくなります。

過去問の出題パターンや形式を解析し、あらかじめ出題者の出題意図を意識しておくことで対策も取りやすくなります。

問題構成

全20問の多肢択一問題は一定の問題構成によって成り立っています。これは答練などでもほぼ同じ形式で構成されています。
出題される順番は、

  1. 民法に関する問題
  2. 不動産の表示登記の総論問題
  3. 土地に関する問題
  4. 建物(非区分建物)に関する問題
  5. 建物(区分建物)に関する問題
  6. 不動産登記に関しての手続きや知識に関する問題
  7. 調査士法に関する問題

となっています。

各項目の問題数については、例年若干の問題数の差はありますが、逆に固定されている問題数もあります。
1.民法に関する問題は例年3問、7.調査士法に関する問題は例年1問という風にです。

このような構成で多肢択一問題20問が成り立っている事を意識する事で、ペース配分や頭の切り替えに利用していきます。

出題パターン

土地家屋調査士試験の多肢択一問題は幾つかの出題パターンから構成されています。
今後これ以外がパターンが出現しないとは言えませんが、少なくとも過去の出題パターンについては理解をしておきましょう。

正解択肢のみパターン
(平成26年度 午後の部 第3問)
Aには、その親族として、妻B、子C、父D、祖母F(既に死亡している母Eの母)及び孫G(Cの子)がいる場合において、Aについて相続が開始したときのAの相続人の範囲に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものは、どれか。

  1. AとCが死亡し、その死亡の先後が明らかでない場合には、Dは、Aの相続人となる。
  2. Cは、Aの死亡前に、故意にBを殺害しようとしたが未遂に終わった場合には、これにより刑に処せられたときであっても、Aの相続人となる。
  3. Aの死亡前にC及びGが既に死亡していた倍には、Fは、Eに代わってAの相続人となる。
  4. Cが相続の放棄をした場合には、Gは、Cを代襲してAの相続人となる。
  5. Aの死亡前にAとBとが離婚し、BがCの親権者と定められていた場合であっても、Cは、Aの相続人となる。
解答

このパターンは最も簡単な多肢択一形式です。5つの選択肢のうち一つだけの正解が分かればいいのです。
答えが1つだけ分かればいいのですから、極端な話正解択だけを知っていれば後の選択肢が正しいのか間違っているのかを知らなくても答えられるのです。

この形式の問題は昭和の土地家屋調査士試験で見られていましたが、近年の出題傾向では20問中0~1問ぐらいです。
ほぼこの形式の問題では出題されないと考えましょう。出題されればラッキー程度の気持ちで。

正解数数えパターン
(平成27年度 午後の部 第20問)
土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人の業務に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものは、幾つあるか。

  •  業務の禁止の処分を受けた土地家屋調査士は、当該処分の日から3年を経過するまでの間、土地家屋調査士となる資格を失う。
  •  土地家屋調査士法人は、定款で定めるところにより、当事者その他関係人の依頼を受けて,鑑定人に就任し、土地の筆界に関する鑑定を行う業務をすることができる。
  •  土地家屋調査士は、業務を受任しようとする場合には、あらかじめ、その依頼をしようとする者に対し、報酬の基準を示さなければならない。
  •  土地家屋調査士は、土地の表示に関する登記について必要な測量の業務の依頼を受けた場合において、自ら当該業務を行うことができない正当な事由があるときは、補助者に当該業務を取り扱わせることができる。
  •  土地家屋調査士は、補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に届け出なければならない。1 1個
    2 2個
    3 3個
    4 4個
    5 5個
    解答

この形式は正解(または間違い)が選択肢の中で幾つあるかを選ぶ問題です。
この問題の出題傾向は例年3問程度です。正解択の個数が合えばいいという事なので、厳密に正解択をきちんと選んでいるかどうかという事が判別できる問題ではありません。
しかし、少なくとも出題者側には受験生に全部の選択肢を読ませるという意図がある事を知っておきましょう。

正確な正解を選択できているか判別しにくいこの傾向の問題が、今後増えるという事は考えにくいです。今後も3問程度の維持かそれ以下になっていくと考えられます。

2択肢選択パターン
(平成28年度 午後の部 第12問)
建物の構造及び床面積に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

    •  共同住宅として登記されている甲建物を、階層的に区分してその一部を1個の建物とする場合において、建物の構造を記録するときは、屋根の種類を記録することを要しない。
    •  2階建ての甲建物がガード下に新築された場合において、建物の構造を記録するときは、階数による区分として「ガード下2階建」と記録する。
    •  一室の一部に天井の高さが1.5メートル未満の部分がある場合、その部分は当該一室の面積に算入しない。
    •  停車場の上屋を有する乗降場及び荷物積卸場の床面積は、地下道設備があるときは、その上屋の占める部分の乗降場及び荷物積卸場の面積に当該地下道設備の面積を算入して計算する。
    •  建物に附属する屋外の階段は、雨除けの屋根や手すりが設置されている場合であっても、床面積に算入しない。

1 アイ
2 アオ
3 イウ
4 ウエ
5 エオ

解答

現在最も出題傾向が多い問題形式です。
5つの選択肢の中で正解(または間違い)を2つ選択し組合せを答える問題です。
近年は20問中17~18問この形式であり、ほぼこの形式=土地家屋調査士試験の多肢択一問題形式と思っていいと考えられます。

この形式で出題することにより、より多くの選択肢についての理解を問われるようになります。
ただこの形式の問題であっても、全ての選択肢の理解ができていなくても解けるので、今後もしかすると、この形式よりさらに理解が求められる形式に難化する可能性はあります。

奇行種パターン
(平成26年度 午後の部 第4問)
次の文章中の(ア)から(オ)までの空欄に後記の〔語句群〕の中から適切な語句を選んで入れると、表題部所有者に関する文章となる。(ア)から(オ)までの空欄に入れるべき語句の組合せとして適切なものは、後記1から5までのうち、どれか。
「不動産の表示に関する登記は、昭和35年の不動産登記法の改正により創設された制度である。この改正前は、不動産の物理的状況を把握するための公簿として(ア)の制度が存在し、現在の登記記録における表題部に記録されている登記事項は、この公簿の記載に依存していたといえる。昭和25年に、地租及び家屋税が廃止され、土地及び建物に対する税金については、固定資産税として(イ)が徴収することとされた後、昭和35年に、現在の登記記録における表題部に当たる(ア)の制度と権利部に当たる(ウ)の制度が統合・一元化されることとなった。
この歴史的経緯により、表題部に記録される表題部所有者については、土地の地目、地積や建物の種類、構造、床面積等と同様に、不動産を特定するための機能や、所有権の登記がない土地及び建物について、表題部の登記事項に変更や更正があった際にする変更の登記や更正の登記の(エ)を特定する機能を有しているとされ、また、(オ)の登記を申請する際の(エ)を特定する機能を有しているとされ、また、(オ)の登記を申請する際の(エ)を特定する機能も有しているとされる。」

A 登記簿 B 不動産登記 C 土地台帳・家屋台帳
D 市町村 E 国 F 都道府県
G 用益物権の設定 H 所有権の保存 I 所有権の移転
J 申請適格者 K 申請代理人 L 納税義務者

 (ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
1 B  F  C  K  I
2 B  E  A  J  H
3 C  E  B  K  H
4 C  D  B  J  H
5 C  D  A  L  G

解答

この出題形式は正に奇行種です。数年に1度1問だけ現れるか現れないかという頻度なので、正直対策の取りようがないというのが事実です。
しかも、この形式の問題の傾向として受験生があまり勉強していないであろうと思われる不動産登記法の歴史等が出題されます。
「太閤検地」や「縄伸び」など知っていないと正解できないという内容です。

私はこのなぜこのような奇行種問題が存在するのかを考えた事があります。
この形式の問題は4~6問目に出題される事が多いです。しかも選択肢がやたら多く、まともに解いても時間を取られてしまいます。
最初の3~5問の問題をサクっと解いた受験生に対して難問を出題し勢いにブレーキをかけさせる意図があるのではないかと思います。
つまり、この形式の問題は受験生に動揺を与えることが目的でなかろうかと考えます。

受験生側としては、この奇行種問題が運悪く出題されたなら、慌てず時間を取られないよう対処しなければなりません。

本試験で4~6問目に奇行種問題が現れたなら以下のように対処して下さい。

  • 読んでみて偶然知っているような知識であれば、なるべく時間を取られないように解く。
  • 自分の勉強した範囲以外の知識又は知らない事であれば、とりあえず5肢のうちどれかマークをして、次の問題にとりかかる(書式まで解答でき見直す時間があればもう一度チャレンジする。)

これ以外の対処法を取ってしまうと、「大きく時間を取られる」「次以降の問題の判断に影響が出る」等の事が懸念されるので気をつけて下さい。

尚、この奇行種問題は一度出題されると次の年から出題されないという破天荒ぶりがあるのも特徴ですから、過去問対策としてもそれほど力を入れることはないと思います。

多肢択一問題の攻略まとめ

調査士本試験の多肢択一問題は全部で20問あり、出題順序がおおよそ決まっています。
その中でも問題数が固定されている民法や調査士法に関するものもあります。

出題パターンで最も多いのは「正しいもの」または「間違ったもの」を2つ選択する「2択肢選択パターン」が例年17~18問とほとんどこの形式で出題されています。

多肢択一問題の形式をとりながら、結局は全ての選択肢について理解が必要とされます。
今後問題形式は難化する事も考えられるので、できるだけ全ての選択肢について正誤を答えるというスタンスで臨むとよいでしょう。

5肢択一の20問と考えるのではなく5肢×20問=100問の一問一答形式であると理解しておけば大きく問題形式が変わったとしても出題者側からの意図からブレる事はないと考えられます。

多肢択一問題に関しては、過去問は最低でも10年分は必ずやっておきましょう。
そうする事で問題構成や出題傾向がつかめてきます。


おすすめ択一問題集

調査士択一問題集1

価格 4.0
問題数 4.5
解答の解説 4.0
価格:
4,752円(税込)
ページ:
672ページ

調査士択一過去問マスター1(第五版)には、平成元年度~平成26年度までの(昭和年代の重要問題はセレクトして収録)の民法・土地家屋調査士法・不動産登記法/総論に関する択一問題253問が収録されています。

管理人:長月のレビュー

土地家屋調査士試験の多肢択一問題の過去問はこれだけで十分だと思います。
過去26年分の問題が収録されています。
各分野ごとに問題が収録されていますから、学習しやすいです。
解説も一問ごとに詳しく書かれています。法律の改定があった箇所については、現在の法令にあったように解説がされています。

デカくて重いので、持ち運びに困りますが、かなり使えます!!

商品詳細を見る

ブログ村 ランキングに参加しています。
この記事が役に立ったら「ポチッ」として下さいね!!
↓↓↓
にほんブログ村 資格ブログ 土地家屋調査士試験へ