受験生には大きく「【タイプ1】法律勉強経験者」と「【タイプ2】法律勉強経験なし」に分れます。
この事は以下の記事で詳しく書いているので必ず読んでおいて下さい。
【必読記事:⇒土地家屋調査士試験勉強は自分のタイプを知る事から始まる

土地家屋調査士試験合格というゴールは決まっていても、そこに至るまでのコースがそれぞれ違ってきます。
このコース選びを最初に間違うと受験期間が長引く恐れもあります。最悪、長期に渡って勉強をしていても、挫折して合格できず、諦めてしまう事にもなりかねません。

自分にあった勉強方法が大事

全くの法律や資格がゼロ知識から土地家屋調査士試験に挑まれる方(【タイプ2】法律勉強経験なし)で「独学でやりたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」といった質問を頂く事があります。
【(注)ここで言う独学とは、自分で書籍や問題集を揃えて誰の指導も受けずに勉強する事という意味です】

ゼロ知識の方が独学で土地家屋調査士試験に合格する事は可能でしょうか?
私の経験上、ゼロ知識の方が土地家屋調査士試験に合格する事は可能だと思います。

しかし、ここで一つ付け加えます。
合格は可能ですが、ゼロ知識の方が独学で短期合格するのは非常に困難という事です。

それはなぜでしょうか?
理由は法律の勉強は「覚える」のではなく「理解する」事なのです。
そして理解した法律を今度は「使える」ようにしていくのです。

これだけでは何の事を言っているのか全く分りませんよね。
では、一つ実際の法律を例に出して説明していきましょう。

民法を使って法律の「理解する」を知る

今回の事例では「民法」という法律で説明していきます。
民法はおおよそどんな法律の試験にも出題される法律です。
もちろん土地家屋調査士試験にも出題範囲とされています。

ここにAさんとBさんという二人が隣接した土地に住んでいたとします。
Aさんの土地に柿の木を植えているのですが、枝がBさんの敷地にまで伸びています。
さてBさんは自分の敷地に伸びたAさんの柿の木を勝手に切ってもよいでしょうか?

ちなみに民法には以下のような条文があります。

「土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。」(民法第233条1項)

どう読めましたか?
法律では土地の所有者Bさんは、隣地の柿の木が境界線を超えるときは、Aさんに枝を切らせる事ができるという風にかいていますよね。

つまり、Bさんは柿の木を勝手に切ってはダメで、Aさんに「お宅の柿の木の枝がうちの敷地に入っているので切ってください」とお願いする事ができるのです。

さて、ここまで読んで民法を一つ「覚える」事ができましたね。
隣地に植えている木の枝が境界線を越えたときは、お隣さんに「切ってください」と請求できるのです。
逆を言えばお隣さんに黙って切ってはダメですよ、という事です。

では、どうしてAさんの木の枝が伸びてきて自分の敷地に入って困っているBさんが、勝手に枝を切ったらダメなんですかね?
Bさんは自分の敷地にまで伸びてきた柿の木の枝を切るのは、自分の土地を守るためにしてもよさそうではありませんか?
しかし、Aさんの視点になってこの件を見てみましょう。
Aさんは柿の木を植えたのは恐らく柿の実を食べるのを楽しみに長年柿の木を育ててきたのでしょう。
また、柿の木の枝だってAさんの知らず知らずのうちに、敷地の境界線を越えて伸びたのかもしれません。

こう考えると、柿の木の実が生る枝を境界線を越えたからといってAさんに無断でBさんが勝手に切るのは可哀そうだと思いますよね。

でもBさんだって自分の土地に隣の柿の木の枝が伸びてきたのは嫌でしょう。

そこで、先ほどのようにBさんがAさんに「お宅の柿の木の枝がうちの敷地に入っているので切ってください」というお願いをするのが双方の利益を損ないにくい考え方という法律の趣旨が見えてきます。

ここまで読んで「ほぉ、なるほど!!」と思えた方はこの法律の条文が「理解する」事ができたんですよ。

理解ができれば、これとよく似た事案が出てきたときに、法律の趣旨に沿う思考で考えれば見たことのない事案でも解決策を自分で導きだす事が出来ます。つまり法律を「使える」ようになってくるのです。

独学での勉強の限界

上記の例で法律の勉強が「覚える」⇒「理解する」⇒「使える」というステップに分かれている事が理解できたと思います。
どんな資格でもそうですが、独学というのはテキストを丸のみして問題を解くというスタイルになりがちです。
テキストというのは、どこの予備校や出版社のものでもそうですが本という制約上、必要最低限の事しか記載されていない事が多いです。
先ほどの例でいうと「覚える」という知識までしか到達できない事が多いです。
テキストで覚えた事を予備校の講座受講等で「理解する」レベルまで上げていきます。

ゼロ知識の独学で土地家屋調査士試験に合格するのは無理ではないですが、短期合格が困難という理由の一つはこういう事なのです。

法律を理解するには講義による勉強が最適

では、ゼロ知識の人が何年も迷いながら勉強をせずに最短で土地家屋調査士試験に合格するにはどうしたらいいのでしょうか?

答えは一択です。
予備校の講座を受講するという事です。
予備校の講座は本当にゼロから法律の勉強を教えてくれます。私自身元々社会人で土地家屋調査士試験を始めるまで全くの法律知識ゼロ人間でした。
こんな私でも半年後には多肢択一問題全問正解するほどの法律知識を得られたのは、予備校の講義のおかげだと思っています。
これがもし独学で勉強していれば、数年の歳月を費やしていた事は間違いありません。

あなたが知識ゼロから最短で土地家屋調査士試験に合格したいのであれば独学ではなく、予備校の講座を受講する事を強くおすすめします。

法律勉強経験者の勉強法

では、もう一つの「【タイプ1】法律勉強経験者」の方はどのような勉強をしたらいいのでしょうか。

行政書士や司法書士等に合格されている方であれば、法律の理解の仕方はご存知だと思います。
(理解できているから、試験に合格できたはずですから)

このような方であれば、テキストと問題集を買って独学スタイルで勉強されても良いかと考えます。
しかしながら、土地家屋調査士試験には計算をしたり図面を作成する等、他の試験ではあまり見られない特殊な問題がありますから、それについてだけ個々の講座を受講をしていくという方法もあります。

もちろん法律勉強経験者の方であっても、ゼロから知識の方と同様な予備校の講座で全て勉強していくというスタイルも自分であれこれとテキストや問題集を揃えなくて良いので勉強に集中できるという点ではいいかと思います。

【まとめ】独学と予備校の講座受講のどちらがいいのか

独学がいいのか、予備校の講座受講がいいのか、どちらがいいのかをまとめるとこうなります。

予備校の講座受講

予備校の講座受講をおすすめする方は、「法律勉強経験なし」の方です。

  1. 資格試験等、いままで試験といったものに挑戦した経験の無い方。
  2. 色々な資格試験に手をつけたが、合格出来なかった方。
  3. 資格試験の勉強が続かなかった方。
  4. 学生時代に勉強そのものが苦手だった方。
  5. 勉強をするという生活から長期間離れていしまっている人

上記に当てはまる方は独学より予備校の講座受講を強くおすすめします。

独学勉強

行政書士や司法書士等の法律の条文を読んで自分で「理解ができる」人であれば、独学の勉強は可能です。
もちろん独学より講座受講のほうがあれこれと自分で模索しないで勉強に集中できるという点で優れているので、苦手な箇所については予備校を利用するというハイブリッドな勉強法でもよいかと思われます。

【次の記事:⇒土地家屋調査士試験を始めるため必要な教材は?揃えるテキストや問題集は?